Blushing Roses

南イギリスの異邦人 ちょっと考える沢山のひとり言

貧困の最中の人々の絵 *18世紀イギリスTate Britain*

 

夏にテート・ブリテンに行ってお目当ての部屋4つ目掛けてじっくりを絵を見てきました。8月中旬だったのにも関わらず当日はそこまで混雑しておらず1人思う存分見ることができました

 

今回は私が見逃してしまったSeen and heardという、ビクトリアン時代の子供達(裕福から見捨てられた貧乏な子供まで)の展示で見れるような絵を見たく、Tate Britainに行きました。このSeen and heardの展示がまたあるなら行きたいし、本があれば欲しいです。

Seen and heard: Victorian children in the frame | Art UK

 

昔はカメラで撮った写真がないので、単純に昔の子供達って、大人も、どんな洋服をきてたんだろう?と気になります。海外ドラマを見ればわかりやすいんですけど、絵に書かれているということは本当にこんな人たちが存在したということを細部を読み取ったり感じることができるのでこれからも見たいと思います。

 

何の罪もない物乞いと裕福な子供達

Portrait of Sir Francis Ford’s Children Giving a Coin to a Beggar Boy

 

こちらの絵は、裕福な家庭の子供達が物乞い「ベガー」にコインをあげているシーン。

物乞いになってしまった子供の服はボロボロに破け、杖を持たなければ歩けないほど弱っているのか。一番右の女の子の肌はベガーの子よりも色白なのに、輝いて健康的に見えまた白い柔らかい素材のドレスを身に纏っているせいもありふっくらして痩せこけず食も与えられている事が伺える。

 

この子供達はSurreyの裕福な農園主、政治家の子供達だそう。この農園主(サー・フランシス・フォード)はWest Indies(西インド諸島カリブ海に浮いているイギリスの植民地の島々)に広大な土地を所有し、奴隷制を支持していた男だという。その富を得ている、そして将来土地と全ての奴隷を与えられることが約束された2人の子供と、明日はもう生きているのかわからない少年の対比の絵。

 

 

競馬の大きなイベントに集まる様々な職種の人々

The Derby Day by William Powell Frith 1856-1858

 

エプソム・ダウンズで行われた競馬の日はにロンドンから大勢の人がやってきた日のシーン。曲芸師、娼婦、愛人、泥棒、犯罪者、下層民を描いた絵。

画家フリスは、ヴィクトリア時代の細かく段階化された階級制度から、それぞれ特有の衣服や外見によって区別される、100種類近くの異なる社会的タイプの人物を描いたそう。彼は人相学を信奉していたため、絵描かれている人物はその社会的立場や性格に典型的と考えられる特徴を写しているとのこと。これだけの大勢の人の職や階級、振る舞いや服装、持ち物、髪型を観察でき、それはさぞかし面白そうだと思うけど、それを1人ずつ絵にできるとは・・。

 

裸足の人や、赤ちゃんを連れた若い女性、寝転がっている人の服はみすぼらしく擦り切れている。

 

真ん中でタンバリンを持って赤ちゃんを覗いている純粋無垢な若い女の子。この子のドレスには金糸があしらわれ花かんむりまでしているけど、その後ろには茶色いジャガイモのサックみたいな洋服を着た若い女性が。一番右の美しいドレスをきた女性のコインケースは現代も使われている小さいジャバラのような小銭入れ。階級や裕福さの違いをよりよく見せるために肌の色は画家の意図ではっきりさせたのかもしれないが、そうでなくでも実際の肌の艶や質はだいぶ違ったことだろうと思う。

赤い民族衣装を着たおばあさんが馬車に乗った裕福な若い女性にせびっているシーン。このおばあさんはジプシーなのでしょうか?そして右の女の子も。どなたか知っている方、教えてください。

 

 

おまけの絵

次に絵の名前を控えるのを忘れたのですが、印象に残った絵を。

灰色の顔。これはなんのシーンだったのかもう一度確認したいところ😔

 

 

こちらは狭いバスに色々な階級の人が乗っている様子だそう。みんなが、右側の家族、小さな子供に目を当てているようにも見えるけど、無意識なのか。左の赤いおばあさんはジブシーだそう。

 

今回はひとまずここで終わり。

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

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